inkcube.org代表のMemorandum

インクジェット,3D,その他テクノロジーについて.

面接試験と多様性

先日面接試験を受けた.面接をしたのではなく面接される立場としてはおそらく管理職の昇格試験以来ではないだろうか(ということは25年振り??).全く緊張はしなかったが,いくつか質問を受けた中で,別の答え方をすれば良かったなと思うものがある.

何の面接を受けたかわかってしまうので質問内容は書かないが,多様性が大事だということを回答の中に含めれば良かったと思う質問があった.

「多様性が大切」ということは様々な場面で言われることである.「イノベーション」「多様性」で検索すれば,多くの解説を読むことができるだろう.しかし多くの場合,柔軟性が高くなり様々なアプローチ法が生まれる,というようにどちらかといえばアウトプットでのメリットに重点をおいているものが多い.(環境変化に対する種の生き残りも,多様性とも考えることが出来る突然変異が存在するからである,と考えることも出来る)

それも間違いではないが,多様性の重要さはもっと上流にあると思う.組織に様々な属性のメンバーがいる場合(これをここでは多様性としよう),自分の経験からも組織の中で[衝突]や[流れの変化]が必ず起こる.たしかに組織のマネージメントにとってはこれを厄介に感じる場合もあるし,それは仕方がない.しかしこれらをポジティブに捉えなければいけない.衝突や流れの変化が起こるからこそ,(均一性の高い組織では気づかない)対応しなければいけない新たな課題や,事象を捉える別な側面に気づくのである.

それらに気づかなければ,アウトプットにおける対応の多様性も無意味である.

こういう起点における多様性の重要性について言っている人も必ずいると思うのだが,あまり聞いたことが無い.なぜか,それは組織での衝突や変化への対応,ポジティブな対応は非常に高いマネージメント力を必要とするからではないだろうか.「イノベーション」「多様性」を声高に言う人の中に,はたしてどれだけ実際のマネージメントでこれを実践した人がいるのだろうか.