inkcube.org代表のMemorandum

インクジェット,3D,その他テクノロジーについて.

デジタルプリンティング

インクジェットや電子写真によるプリンティングを「デジタルプリンティング」と総称することがある.いつからこのように呼び始めたかはわからないが,例えば原稿からの反射光で直接感光体に潜像を形成していたコピー機をアナログ複写機とし,これに対して潜…

ちびまる子ちゃんとリフィルモデル

ちびまる子ちゃんの声のTARAKOさんがお亡くなりになった. 実はこの2週間くらい,ちびまる子が表紙になっている昔のノートを取り出し,中身と格闘している. このノートに書きつけていたのは,インクのリフィルと,ノズルでのメニスカス振動をNavier-Stokes…

2024年

今年最初に買った本. タイトルに惹かれた.これから書き始める論文の論理補強に役立つかな. p.s. 本文に入る前のページで,私が傾倒するレベッカ・ヘンダーソンがこの本に賛辞を寄せていた.これは期待出来そう.

宛名

inkucube.org宛てに郵便が来た.私の名前無しで届いた初めての郵便だ.でも考えてみれば住所さえ合っていれば宛名は何でも届くだろう.そう思った次に考えたのは,差し出した人がよくinkcube.orgだけで出したものだと.内容は講演に関するものであったが,私…

大学からの帰り道

先日,以前から存じてあげておりコロナ前には良く学会等でお会いしていたある大学の先生に呼ばれ,研究室を訪問してきた.先生の研究テーマに関し困っていることがあり助言が欲しいとのことだった.この先生は流体力学,音響学の専門家であり,いくら私がイ…

Window

先日コンシューマー向け商品の記事や情報を発信するネットメディアからインタビューを受けた.インタビューの目的からは少し脱線したが,インクジェットプリンタに搭載されている技術が,非常に緻密で繊細で高度な技術の塊であり(インクジェットプリンタに限…

面接試験と多様性

先日面接試験を受けた.面接をしたのではなく面接される立場としてはおそらく管理職の昇格試験以来ではないだろうか(ということは25年振り??).全く緊張はしなかったが,いくつか質問を受けた中で,別の答え方をすれば良かったなと思うものがある. 何の面接…

ChatGPT

ChatGPTをどう使うかについての様々な論議が,メディアやネット上で見られるようになった.9月以降に受け持つかもしれない大学院授業で,学生が課題に対する回答作成においてChatGPTを利用する可能性は非常に高く,私なりの取り扱い方針や学生に対する指針を…

論理構成力

前々回触れた新規授業科目企画書が完成し提出した.採用され,大学院生向けに15週の授業ができることを願っている. 今回もこの企画書に記載した評価の観点と基準について書こうと思う.授業のテーマは「情報出力装置概論~可視化・具象化される情報価値の最…

加点評価

評価についてはまだいくつか書きたいことがある. 「減点評価」の改善として「絶対評価」と「加点評価」もよく掲げられる人事制度改革ではあるが,「加点評価」も使い方によっては,さらに「減点評価」を強めることにもなる. これも実際に経験したことがあ…

新規授業と評価

大学院修士課程の学生向けに15週の授業を受け持つ可能性があり,この新規授業科目企画書を作成している.授業のテーマは, 「情報出力装置概論~可視化・具象化される情報価値の最大化~」 とし,2D/3Dプリンターの技術だけではなく技術進化論,組織論,ロー…

コンバーテック2023と学会活動

先週,東京ビッグサイトで開催されたコンバーテック2023展に日本画像学会のブースを出展し,来場者に活動紹介を行った.また,最終日の2/3には会場でセミナーを行った. 昨年7月の理事会でこの展示会への出展とセミナーの企画・提案を行い,当日は多くの仲間…

おじいさんのむかしばなし(その2)

おじいさんのむかしばなし(その2)をアップしました. inkcube.orgの公式サイトの「代表紹介」ページの下の方に,リンクがあります. https://www.inkcube.org/founder.html (その1)を読んでいない方は,併せてお読みください. 英語版もあります.

煽るタイトル

『動作不能にさせる「時限装置」が仕込まれたあのデバイス』 これはあるIT系メディアの8月19日のWEB版に掲載された記事のタイトルである. これだけ見ると,いったいどんな時限装置なのか,どこのメーカーの仕業なのかと疑心の気持ちで記事を読み始めるだろ…

高粘度液体噴射ヘッド

Quanticaから高粘度吐出できるオンデマンド型ヘッドが2021年に学会発表され,3Dプリンタへ実装されたことが先月,記事になっていた.ピエソでピストンを押す新しい方式で250mPa・sまでの粘度に対応できる. ヘッドに対する要求として,高粘度液体の吐出があ…

女性登用と多様性

先日,テレビのチャンネルを切り替えているときに映った番組で,女性登用に関する討論を行っていた.たまたま見た場面では,(女性が今後さらに活躍していくためには)登用される数を増やすことも重要であり,そのためには実力が上の男性より,実力が下の女性…

最初の特許(?)

現在,インクジェットで当たり前のように使われている技術について,最初の特許出願を調べてみたので,いくつか紹介します. もしかしたらここに紹介する特許より早い出願があるかもしれません.ご存じの場合,教えていただけると助かります. ●スターホイー…

半沢直樹

今更この大人気ドラマの評価をここでするつもりではない. 私が好きなドラマではあるが,その理由をここで書くつもりでもない. 2013年放送シリーズはこれまで6回見た.2020年放送シリーズは3回見た.好きな番組の割には見返した回数が少ないかもしれないが…

ドローンとFAV

2016年に提案し,2019年にJISに登録したボクセルベースの3DデータフォーマットFAV.このFAVとドローンといったいどのような関係があるのだろうか. 昨年から経済産業省主体で「3次元空間情報基盤アーキテクチャ検討会」が始まっており,ここではドローンを…

情報コントロール

これから書くことは,管理職の方,これから管理職になる方,あるいは部下を持つ上司という立場になる方へのお願いでもある. 管理職という立場になると部下の方よりも圧倒的に多くの種類,多くの量の情報が入ってくる.人事,業績,そして技術や市場の情報も…

利害の対立

かつての上司が話してくれたことで,歳をとるにつれそれを守らなければと思うことがある.そのことは今でも決して心から良い,正しい事だと思っているわけではないが,過去の自分の失敗やうまく結果を残せなかった原因の1つになっているのではないかと思うこ…

デジカメとiPhone

インクジェット部会委員の方に,年末年始に売れたインクジェットプリンタの上位1,2位は実売価格が6,000~7,500円のいわゆるローエンド機種だと教えていただいた(BNC). 私がことあることに話をしているインクジェット技術進化論から言えば,これも当然の結果…

今だけ,金だけ,自分だけ

この言葉は今年の国会で,ある野党議員が政府与党に向けた批判の言葉である.今年最も気に入った言葉の1つであるが,この言葉は今の日本の産業,経済の衰退(言い過ぎか),伸び悩み(やや柔らかい言い方)の根本の原因の1つを指摘している言葉としても相応しい…

中国製ヘッドと冗長ノズル

先週,色材協会のコンファレンス(IT講座)で連続噴射型インクジェットの話をした.そのコンファレンスの他の講演にSuzhou Realfast Print Technolog Co. Ltd.から中国製のサーマルインクジェットヘッドの紹介があった.この会社は中国でPIJやTIJのヘッドを開…

インクとインキ,印刷技術

インクジェットではプリントするために吐出する液体を「インク」と呼ぶのが一般的であるが,時々「インキ」と表現するメディアや記事を見かける. インクとインキの違いは何か,おそらく英語圏で始まった技術由来か,ドイツ語圏で始まった技術由来ではないか…

ファクトチェック

学会の役割として,出版物,ネット等で学会がカバーする技術領域に関する記述に対する誤りをチェックし,場合によってはそれを正す役割,いわゆるファクトチェックとでもいうべき役割があっても良いと思う.日本画像学会のカバーする領域は画像技術であり,…

国際会議

10月はICAI,Print4Fabという2つの国際コンファレンス,4DFFという国内コンファレンスがあり,いずれもオンライン開催であったが運営委員,座長,モデレーター,講演と様々な形で加わった. 先週の4DFF2021は4年前に自分で立ち上げたコンファレンスであり,…

Things to DOメモ

9/7に書いた「時間管理能力」というほどのものではないと思うが,会社時代,特に会社の仕事以外のやるべきことを多く抱えていたころ,「Things to DO」メモを毎日作っていた. 長いスパンでやるべきことではなく,例えば誰かにメールで返事をするとか,会合…

メールの返信と時間管理能力

仕事や学会関係で,自分に講演や執筆,その他いろいろな依頼や問い合わせがメールで来ることが多いが,私が他の方へお願いや問い合わせのメールをすることも多い.依頼をしてお断りをされるのは残念だがその方の事情もあるわけだし,仕方ない.断りのメール…

Planned Happenstance Theory

Planned Happenstance Theory(計画された偶発性理論)はスタンフォード大学教授のジョン・D・クランボルツ博士が提唱したものである.その理論は要約すれば「人生の80%は偶然の出来事に左右される」「ただし自分にとってよい偶然を発生させる確率は自らの行…