inkcube.org代表のMemorandum

インクジェット,3D,その他テクノロジーについて.

学会活動(2)

海外のImagingをスコープとするする学会,IS&Tに1996年から所属している.

この学会はインクジェット含むNIP(Non-Impact Printing)関連のコンファレンスを1981年から開催しており,初めて参加したのは1993年の横浜開催だった.この時,発表は英語であったが日本での開催であったし,日本画像学会のコンファレンスとの共催だったということもあり[海外の学会]という意識はなかった.

1996年にSan AntonioでNIPが開催されたとき,当時の上司から「行って来い」と何故か指名され,ついでに当時共同研究をしていたX社(@Rochester)にも行って情報交換をして来いとも言われた.

初めての一人での海外出張で,月曜日から水曜日までNIPに参加し,木曜日にRochesterに移動,そして金曜日から翌週の水曜日までX社とWork Shopを行った.

NIPではその後エプソンの社長になられた碓井さん(当時は課長だった)の発表もあり,発表後に会場で碓井さん含め発表者と個別に発表内容について詳しく話をしたのを良く覚えている.セッション間のコーヒータイムが頻繁にあり,そこで海外の参加者同士が入れ替わり話し込んでいる様子は日本では見ることがない光景でとても印象的だった.

そういうこともあり,コンファレンスは発表者含む参加者とのコミュニケーションを図ることが重要で,顔を知ってもらうためにも毎年継続して参加し,自らも発表する必要があると感じ,帰国後の出張報告書にも書いた(発表内容は予稿を読めばある程度わかる).そしてすぐにIS&Tの会員となった.この考えはその後も私のコンファレンスに対する基本姿勢として持ち続けており,コンファレンスの運営に関わった際には,参加者同士のネットワーク形成を促すイベントを新たに企画・開催してきた.

ただ残念なことに出張報告書に書いた「継続参加希望」はかなわず,毎年海外のNIPに参加できるようになったのは2007年からである.この経緯もまた改めて書きたいと思う.

さて,金曜日からのX社とのWork Shopは,日本からは私ひとりで4日間にわたりTIJ Printheadに関する様々な項目についての情報交換と議論をした.これもその後,海外のパートナーとの協業を進めるうえでの自信となった.

この時の出張報告書に,『スライドやOHPでの発表に代わり,パソコン+(液晶ビューワー)での発表が増えている,特にマイクロソフトのプレゼンテーションは新鮮であった』とある.X社とのWork Shopは日本側の全ての説明を私ひとりで行ったので,100枚以上のOHPを休日出勤で作成し出張に持って行った.今では考えられないことだ.