inkcube.org代表のMemorandum

インクジェット,3D,その他テクノロジーについて.

AMC名古屋

エレファンテックのAMC(Additive Manufacturing Center)名古屋が始動し,縁あって本日11:00から行われたオンラインの記者会見に参加させていただきました.

インクジェット(+Cuメッキによるピュアアディテブ法)によるFPCの本格量産に乗り出したということは,DF含むインクジェットの応用展開を長年進めてきたものとして,"とうとう日本でも始まったか"と感慨深いものがありました.M化学やSE社,AMC名古屋設立への重要なパートナーも,これまで自らDFへの応用に取り組んでいたとは思いますが,なかなか進まずというか市場も広がらずじくじしたものがあり,エレファンテックの勢いというか切込みの方の巧みさ,もちろんピュアアデティブ法という優れた技術もあり,今だ,と思って一緒にやろうと思ってくれたのではないでしょうか.

記者会見の中でエレファンテックの清水社長がAMC名古屋ヘの期待として話されていた,

①製法ライセンス供与含めた世界のマザー工場となるべくというビジョン,②インクジェットイノベーションセンターを目指すという力強い意思,さらに③大企業とスタートアップの共創実証拠点を目指すという狙いに大いに期待したいと思います.

③に関し,清水社長が言われた「大企業の持つ"当たりまえ"の技術,K/Hの伝承は,スタートアップにとって大きな価値になる」,これは私がPrint4Fab2017の基調講演やICJ2018特別講演で話した言葉そのものです.清水社長が私の講演を聞かれたのではないかと思うくらい全く同じ事を言われていました.当時,私は大企業側への提言としてこの話をし,inkcube.orgやインクジェット技術交流会を設立したのですが,スタートアップ側からも全く同じことを言われ,自分の考えが間違っていなかったと改めて感じた記者会見でした.もちろんinkcube.orgも技術交流会も今回の件に貢献しているわけではありませんが,私の活動が将来こういった大きな成果に結びつくような貢献になればと願っています.

ただ②のインクジェットイノベーション拠点はちょっと言い過ぎかな,とも思います.いや言い過ぎで良いのですが,そのためにはもっと別な切り口や取り組みを仕掛けて欲しいと思います.正直,ここはまだ欧州の方が視点が高いと思いますし,見習って欲しいと思います.

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