inkcube.org代表のMemorandum

インクジェット,3D,その他テクノロジーについて.

メールの返信と時間管理能力

仕事や学会関係で,自分に講演や執筆,その他いろいろな依頼や問い合わせがメールで来ることが多いが,私が他の方へお願いや問い合わせのメールをすることも多い.依頼をしてお断りをされるのは残念だがその方の事情もあるわけだし,仕方ない.断りのメールでも返事をいただけるのはまだありがたい.困るのは全く返事が来ないことである.もちろん指定した返信の納期までに,何度か繰り返しメールを送っても返事が来ないのである.私は引き受ける場合も断る場合も,かならず丁寧に返信をする.もちろん即答できない場合はいつまで待って欲しいとか,判断には追加の情報が必要とか必ず返信をする.

これはビジネスマナーの問題であり,忙しくて返事を書けないとかいう問題ではないと思うからである.タイトルにしたように返信できないのは「時間管理能力」の欠如だと思っている.

依頼した人が私と面識のない方,つまり全く知らない私からいきなり依頼のメールがくれば,「何?」と思うかもしれないが,必ず依頼の背景や紹介者を記載したちゃんとした依頼であり,やはり返事をしないことは正当化できないと思う.

ここで少し違う話を途中に挟む.

管理職になって7~8年経った頃,[管理職能力維持確認研修]のような研修が1泊2日であった.(私がいた会社は研修が非常に多い会社で,山奥に立派な研修所がある)

管理職として備えておくべき能力がちゃんと維持できているかを確認し,今後も維持するための研修であった.研修中のテストというかイベントの1つに,この時間管理能力を問われるものがあった.テストの内容は正確には覚えていないが,

【あなたは3時間後(5時間後だったかも)に成田から海外出張に出発する】というシチュエーションに立たされ,上司からの指示,部下からの相談,お客様からの問い合わせ,出張に関する連絡等が次々に(通常はあり得ない間隔で)メールや電話で届き,それに対して優先順位をつけ,時間を管理し対応するものであった.(テストではメールも電話も紙による指示であったが・・・).その状況を外部の検定員(委託した研修実施会社の人)が観察し,採点をする.

他のテストはどうあれ,日頃からたくさんの仕事を抱え,対応していたのでこのテストはうまくやれたと思う.この経験からもメールでの返信ができるかどうかは忙しさの問題ではないと感じている.もちろん会議中や実験中は返信できなくても(することもあったが),終われば休憩時間でもお昼を食べながらでもいくらでも1分の時間はとれる.長々返信できなくても,たった1分,いついつまでにはお返事します,でも良いのである.それは依頼をしてくれたことに対する最低限のマナーである.

以前,私があまりにすぐに返信するので,ある方から「パソコンの前で来るメールに目を凝らしているのではないですか」と冗談を言われたこともある.もちろん当時も超多忙で,メールにとられる時間など会社にいる時間のわずかしかない.でも,的確なタイミングで的確な内容を返すのは,時間管理能力だと思う.

もちろんこういった時間に追われる状況を強いストレスに感じる人がいることも理解できるので,返事がなかったことで相手を責めたりすることも絶対にしない.ただ,返事がないのは次のステップをどうするか,本当に困る状況を生んでいるのは理解して欲しい.

それともう1つ,依頼者,つまり私への不信感や嫌悪感で返事をしないのであればそれは私の問題であり仕方がない.こういうケースはないと信じたいが・・・